君が手にするはずだった黄金について
- 2024年 本屋大賞 10位
『君が手にするはずだった黄金について』 才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。 認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・ […]
『君が手にするはずだった黄金について』
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
プロローグ
大学院生の「僕」は就職活動のエントリーシートで手が止まった。「あなたの人生を円グラフで表現してください」 僕はなんのために就職するのだろうか? そこに何を書くべきなのか、さっぱりわからなくなった僕に、恋人の美梨は言う。「就職活動はフィクションです。真実を書こうとする必要はありません」
三月十日
東日本大震災から3年後の3月11日、僕は高校の同級生たちと酒を飲んだ。あの日、どこで何をしていたか――誰もが鮮明に憶えているのに、前日の3月10日については、ほとんど憶えていない。僕はその日、何かワケあって二日酔いになるほど飲んでいたらしいのだが……失われた一日の真相とは?
小説家の鏡
博士課程に進み小説家になった僕に、高校時代の友人西垣から相談が持ち掛けられた。「妻が小説を書きはじめ、仕事を辞めて執筆に専念したい」と言い出したという。しかも青山の占い師のお告げに従って。友の頼みとあって、インチキを暴こうと占い師に接近する僕に、思いもかけない「その瞬間」が訪れる。
君が手にするはずだった黄金について
片桐は高校の同級生。負けず嫌いで口だけ達者、東大に行って起業すると豪語していたが、どこか地方の私大で怪しい情報商材を売りつけていたらしい。それが今や80億円を運用して六本木のタワマンに住む有名投資家。ある日、片桐のブログはとつぜん炎上しはじめ、そんな中で僕は寿司屋に誘われる……。
偽物
新幹線のグリーン車で偶然再会したババリュージという名の漫画家。人の良さそうな痩せた男で、僕は彼に好感をもっていたのだが、一緒にいた轟木は正反対のことを言う。「あいつはヤバい奴だね。偽物のロレックス・デイトナを巻いているから」。他人を見た目で判断するなよ。いや、かくいう僕はどうなんだ?
受賞エッセイ
僕は31歳になり、山本周五郎賞最終候補の報せを受けた。だがその日、僕は不思議な電話を度々受けることになる。「アメリカのデパートで買物をしましたか?」。そして見知らぬ番号からの電話に折り返すと、「どちらの小川さまですか?」 僕はどちらの小川なのだろう。そもそも僕は何者なのだろう?
君が手にするはずだった黄金について
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2023/10/18
- ペーパーバック
- 256ページ
- ISBN-10
- 4103553111
- ISBN-13
- 978-4103553113

君が手にするはずだった黄金について :小川 哲
Amazonで詳細を見る
